岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

IAESTE環境フォーラム

岸ゼミ3回生の前川です。

遅くなりましたが、今回は8月17日(金)~19日(日)に開催された『IAESTE環境フォーラム』の報告をします。写真アップ・論文資料のUPはいましばらくお待ちください。



我々岸ゼミは実践的なエコロジー経済学について、普段の教室ではその理論を、それと同時に田んぼというフィールドで実際に活動して肌からも学んでいます。
今回参加した環境フォーラムとは、理工学部の学生と経済学部の学生が、「環境」というキーワードをもとに普段研究していることを発表・ディスカッションする場のことです。環境問題・エネルギー問題について考え、交流を深める場であり、岸ゼミは3年前から自分たちの学んだことのアウトプットのために参加しています。

今回のフォーラムには
同志社大学工学部研究班
大阪大学工学部研究班
・海外留学生
同志社大学経済学部
が参加しました。同志社大学経済学部からは岸ゼミ3回生と、同じく環境経済学を学ぶ室田ゼミ3回生が参加しました。また同志社大学工学研究科から山口教授、李助教授、大阪大学工学研究科からは長谷川教授、同志社大学から篠原教授も来て下さいました。


フォーラムでの発表・ディスカッションは全て英語です。
発表時間は10~15分、その後5分程度質疑応答があります。午前午後の締めくくりには、各テーマについてグループディスカッション1時間程度を行います。
3日間で全9組の発表がありました。また、それ以外に学生同士・先生との交流を深めるイベント等がありました。


さてここからは時間軸にそってフォーラムの報告をします。感想・感じたことは最後にまとめて記します。まずは流れについて報告します。



○●○●○●○8月17日(金)一日目○●○●○●○

リトリートセンター到着後、スタッフの方々の挨拶・説明・自己紹介があり、開会の言葉として、同志社大学工学研究科の山口教授からお言葉をいただきました。この時点で全て英語です。先生の英語の流暢さはもちろんのこと、スタッフの方々も同じ学生なのに英語で進行、個人的にすごくあこがれました。(英語は全然とずっと言っていたSA福井さんが普通に自己紹介をされていたのも個人的には衝撃的でした。)


12時からのお昼ご飯をはさみ、13時から参加者の自己紹介です。ここで個人の英語能力を初披露でした。どきどきしました。その後プレゼンテーションのスタートです。

初日午後は以下4つのプレゼンテーションがありました。
(1)Environmental Monitoring by Using Micro Sensing Device.(大阪大学工学研究班)
(2)Current state and the future of PET bottle.(同志社大学経済学部室田ゼミナール)
(3)Renewable energy supply.(同志社大学工学研究班)
(4)The possibilities of Bamboo Fiber as an Alternative Fiver.(同志社大学工学研究班)

間に一回、全発表終了後に休憩をはさみ、その後ディスカッションをしました。ディスカッションはあらかじめスタッフの方が割り振ってくださった班ごとで行うので、自分の所属を離れ、大いに交流し議論ができる場となります。ディスカッションのあと、各班その内容を全員に伝えるためのプレゼンも行いました。驚いたことに、いくつかの班が短時間でパワーポイントを用意し、それを用いて発表をしていました。議論内容を短時間で簡潔にまとめる、目の当たりにし、非常に刺激的でした。


夕食では留学生と接する機会が増え、楽しいものになりました。また、あらためて食文化の違い、不思議さを感じました。

その後レクリエーションがありました。自由にテーブルを囲み、お酒を飲みながら色々な方と接する機会になりました。またスタッフ側からもゲームが出され、みんなで知恵を出し合うことで会話もうまれていました。

22時に解散し、就寝です。我々岸ゼミは2日目発表のため、その後調整を行いました。



○●○●○●8月18日(土)2日目○●○●○●

二日目は9時から3組の発表がありました。

(1) The Coming Global Energy Crisis (Disposition of HWL) (大阪大学工学研究班)
(2) A New Method of Energy Supply ~MHD Power Generation~ (同志社大学工学研究班)
(3) Environmental problem and economic growth ~from the viewpoint of agriculture~(同志社大学経済学部岸ゼミナール)

3つの発表が終わったあと、昨日と同じように休憩をはさみ、ディスカッションに移りました。その後各班からのプレゼンです。

2日目の発表はこれで終わりでした。その後昼食をとり、午後は琵琶湖に泳ぎに行ったり、卓球を楽しみました。

夕食では席移動も自由に行い、いろんな人と交流する機会がありました。先生方との距離も近く、非常に貴重な時間だったと思います。その後は各自自由時間をはさみ、昨日と同じように集まりました。この日までに発表を終えた人が多いので、部屋に戻ってからも遅くまで盛り上がりました。私がいたところでは、留学生も含めてタケノコにょっきゲームや牛タンゲーム、名前ゲームなど日本人が飲み会でやりそうな(やっていたような)ゲームをしました。お返しに留学生からも同じようなゲームを教えてもらいましたが、レベルが高くて難しかったです。ですがお互いの国の身近な文化を教えあい、実践するとは、かなり交流がとれたなぁと驚きました。つたない会話でもどうにか意思を伝えて楽しむことができました。


○●○●○●8月19日(日)3日目○●○●○●

最終日です。2つの発表がありました。

(1) The construction sector : the great polluting agent~ (同志社大学工学研究班)
(2) Photo voltaics (IAESTE留学生)

同様に休憩をはさみ、最後のディスカッションをしました。昼食をはさみ、各班ごとにフォーラム全体で議論しあったことをまとめあげました。




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さて、ここからは全体を通じての感想・反省等の振り返りを私の視点から述べていきます。

 今回のフォーラムで、私たちは『環境問題と経済成長の農業的視点からの考察』という論文を発表しました。

高度経済成長の変化に伴い産業構造は一次産業から二次産業・三次産業へと変化していきました。その中でも我々は農業という産業に注目しまし た。経済発展・人口増加に伴い、また貿易の自由化が進んだおかげで農業構造は従来のものから大きく変化しました。しかし日本の農業は国際的価格競争力が低く、耕地は荒廃、減少していく一方で、残された農家は効率化のために、農薬・肥料・機械化を進めました。しかしそれは同時に、生態系への影響・環境問題を引き起こす結果となりました。
 このような現状をふまえて、我々は環境と調和した農業のあり方を日本の各地域の事例をもとに考察し、自分達の活動と照らし合わせながら、経済社会の中でそのような農業がいかにして行われていくべきかを分析しました。

今回のフォーラムで一番伝えたかったのは、環境と調和した農業についてです。またその農業を行うにあたっての農家へのインセンティブについても考えてみました。

発表のあと、同志社大学経済学部の篠原教授からは「毎年核心に近づきつつはあるけど、まだ踏み込めていない。」という言葉をいただきました。
環境経済学を考えるとき、環境問題として我々が取り扱う対象の多くはマーケットにはのらない、いわゆる「外部性」のものです。今後はこの外部性を分類、調査していくことが重要な課題と考えられます。


次に全体の反省を述べます。とにかく私にとっては反省点の多いフォーラムでした。

第一に準備不足です。初めての論文とはいえ、テーマをなかなか決めることができず、テーマが決まってからも論文を書く、発表の準備をする、何にしても時間をかけすぎました。他の発表班を見ていると、(英語なのでどこまで理解できたかも怪しいですが)見やすいパワーポイントや、質問に対しての返答など、各人が各人の論文に対して非常に理解していることが伺えました。これは書くまでもない当然のことだと思います。
日常から何らかの問題意識を持っていれば、着手もしやすく、積極的に進めていけるのだろうと思いました。

第二にコミュニケーションの不足です。これは発表班内、フォーラム全体両方においてです。まず前者に関して述べます。発表は吉江さん、八木君、前川の三人で行いました。しかし、3人の間での情報共有をあまり行わず、各パートは各人に任せっきりにしていた面があります。共同でひとつの論文を書き上げるには、互いに何度もチェックしあい、改善していくことが重要だと思います。それが共同で行うことです。1+1+1=3では共同でやる意味がなく、和は5や6くらいにならなくては共同作業をする意味がありません。この点において、今回岸ゼミは情報の偏りから、あまりよい生産をできたとはいえなかったと思います。コミュニケーションにおいては私が一番の問題を持っていました。この場で反省させていただきます。
さて、後者のコミュニケーション不足ですが、経済学部生は互いに固まって、あまり交流をはからない場面が見られました。他の学生は、大学・国籍関係なく、全員で交流しているのに、私たち経済学部生は自分たちだけで輪になる傾向がありました。今回のような場において、そういう行動をとることは非常に残念であり、もったいないことです。私も自分の英語力に自信がなく、なかなか話しだす気になれませんでしたが、新しい出会いを作ることは、自分にとって非常に刺激的でした。
特に私たち経済学部という文系の人間が、理系の人と一緒に議論できる機会はそうそうないことだと思います。日ごろ私は、経済学は結局のところ机上の空論という感じがしていたので、実証的な理系の学生と交流をもてたことは非常にいい経験になりました。同時に、文系・理系どちらか一方ではなく、両方が互いにコミュニケイトし支えあうことで、世界は作られているんだと思いました。


反省点は多いですが、論文というものを作成し、誰かの前で発表する機会をもてたことは非常に有意義だったと思います(しかも英語!!)。どのように論文を組み立て、作っていくのかの大まかな流れもつかめた気がします。
また、最終日ディスカッションのあとの班発表で「環境問題は個人レベルの意識が大切」という発表をしてくださった工学部の方に、私は感動しました。まさにそのとおりだと思います。自分は67億分の1ですが、67億の人間がそう考えるから現状が起こっていると思います。たった小さな影響力でも、自分から動かないことにはいつまでたっても変わらない。フォーラムを通して、みんながその意識をもてたのなら、非常にステキなことだと思っています。室田ゼミの黒澤さんと私は休憩の紙コップに名前を書いて使用していましたが、自分たち以外にもそれをしてくれた留学生がいたことも、同じように嬉しかったです。


長々と書いてしまい申し訳ございません。色々学ぶことができた3日間と、その準備期間だったと思います。フォーラムを主催してくださったスタッフのみなさま、論文の作成に協力してくださった岸教授、TAの中山さん、SAの福井さん、岸ゼミのみんな、