岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

美山団栗再生プロジェクト①

SAの福井です。遅れながら美山団栗再生プロジェクト①の報告をします。

このプロジェクトの目的からお話します。

美山町の面積は約14000haでそのうち約12000haは山地が占めています。
そいて農用地はわずか436haしかなく、一農家あたりの平均耕地面積は0.6haで、
非常に小規模なものが多い。
一方林業では人工林率62%を誇っており、日本でも有数の町であります。
近年、計画的な木材の間伐が必要なこの町で木材価格の低迷問題があり間伐が停滞している。
また農林業者の若手不足、高齢化に伴う間伐の停滞などが引き起こす猛獣問題などに直面している。
そのような中で現在、美山町では新たに木質系のバイオマスタウンの計画などが立てられている。
我々は農林業豊富なこの土地で山地管理、間伐現状などを実践的に把握し学ぶことで、
今後の農林業〔植林など〕のあり方を考えていくことを目的とする。

今回お世話になった竹澤さんは杣人工房代表で炭製品の製造、販売などを行われています。
また小水力発電の計画などにも携われた経験もおありで、
環境、エネルギー、農林業など様々な面で活躍されています。
竹炭や木酢液などがあり、炭作りは主に遠藤さんがされています。
詳しくはhttp://www.kayabuki.net/somabito/index.htm にて。


初日は夜8時近くに現地に到着しました。
まずは普段見慣れない萱葺の家や薪風呂、囲炉裏、木炭ストーブを拝見しました。
自分たちで集めた燃材(柴、小枝、木炭等)を使う、まさに自給自足☆
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そして美山の「山賊料理」をご馳走になりました。中身は焼き鯖汁?です。
お食事しながら交代ではじめての薪風呂に入らせてもらいました。
薪を一人が風呂に入る度に加え、温度の調節をします。この何ともいえない感触がたまりません。
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さあ皆さんと食事しながら、竹澤さんの貴重なお話を聞かせてもらいました。
林野庁のずさんな山地管理、間伐不足、猛獣ネット問題、木炭バスの構想など、
我々の日常生活ではあまり考えることのない問題について議論しました。




二日目は朝から雨模様。そのため、自家製の竹炭を製品にするまでの作業を手伝いました。
竹炭自身の大きさは炭にするまでの間はバラバラで炭にしてからきれいに仕分けしていきます。
きれいに筒になっているものは風鈴などにも出来ます。実際いい音色が出るものもありました。
竹炭はもろく、いかに炭にするだけではなく、製品にすることが大変なことかを体感しました。
切り方の手本を見せてくれた竹澤さん↓
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皆、真剣に割れないよう丁寧に切っていきます↓
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午後からは雨も止んだため、田んぼの草刈組と炭釜組に分かれて作業しました。
竹澤さんの工房では主にエコ炭〔ナラ・竹・床しき・切炭など〕を製造、販売されています。
竹炭は半月かけて作ります。
まずはモウチクソウ・マダケを集め、1mの長さに切ったものを割ってスシを抜き、
立て易いように束ね、窯に入れてから約3日間程度よくむらします。
そして窯に入れてから10日目ぐらいにできた炭を完全に密閉状態にしたら出来上がりです。
今回は炭釜から炭を袋に入れ、運ぶお手伝いをしました。
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そいて夕方から今回のプロジェクトである団栗の森再生の一環として、
団栗の苗を植える場所を偵察に山を登り始めました。
その過程で意味のない猛獣ネットの存在や間伐、収集しきれていない木材の存在を確認しました。
間伐した木がネットに引っかかり、ネットが取れてそのままになっています。
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団栗を植えるのに特定の場所を定め、そこから上に登っていくと景色が広がります。
立派なアカマツ、そうでないアカマツや高年樹のヒノキなどは見事でした。
大体の場所を偵察し終えたところでもう日が暮れたので家に戻りました。

三日目は朝から昨日確認したネットに引っかかっている木を処理し、
獣が人家に入らぬようネットをしっかりと張りなおす作業をしました。
しかしこのようなネットでは猛獣(猪など)は突き抜けてくるにちがいありません。
これも今後の課題です。
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そして朝飯後、竹澤さんが植えられている団栗の苗を6本いただき、
昨日偵察した場所に植えに行きました。
苗の間隔は1メートル、かなり高い位置に植えました。
ここから我々のプロジェクト~団栗の山再生~が始まりました。
団栗の苗を竹澤さんからいただきます↓
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少し穴をほって団栗植えました!!↓
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私は一足先に現地を引き上げましたが、帰りに竹澤さんより花山椒をいただきました。
山椒の粒が出来る前の花の状態の山椒です。
ほんのり山椒の香りがします↓(竹澤さん)
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