岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

シリーズ里山食紀行~番外編・竹紙~

今回は番外編ということで食べ物ではなく竹紙、つまり竹から作る紙を紹介したいと思います。
作る過程の写真を撮っていなかったのでほとんど文章のみになってしまいますが悪しからず。

まずなぜ竹紙を作ろうとしたかについての説明を。
私たちが活動する奈良県生駒市高山町は日本一の茶筅の生産地であり、今の時分、田圃で淡竹の天日干しが見られます。茶筅などの竹の工芸品が作られているのは当然この地で良質な竹がとれるからです。ただ良質な竹は人の手なしにとることはできません。放置され好き勝手に生えた竹林では良質な竹はできません。
しかし、現在は多くの竹林が放置されいます。成長が早いため樹木の森を無視し拡がり、その森の生態系にも関わってきます。
そこで竹林の整備を行っているのですが、ただ切り倒し燃やすだけだはもったいない(まあこれも田圃の肥料として使うんですが)。何かないかとブログにあるように毎年竹炭を作っているわけです。
それ以外に何かできないかと去年、NPO法人のタケトピアさんにお邪魔して、竹紙の作り方を教えていただきました。新たな竹の利用法として作ってみたというわけです。

それではここから作り方を。

Ⅰ:材料である若竹をとってくる
 去年はこれをする時期が遅く7月ごろに竹林に入り、あまり若竹が無く2本だけ、それに少し硬め。
 本来は5~6月にとっておく。

Ⅱ:竹皮をむいて、若竹を10cmぐらいの長さに切り、4~6分割ぐらいに割る
 若竹2本分で、里山にあった梅干しを漬けておくみたいな壺に7~8割入るぐらいになった。

Ⅲ:それを容器に入れ、水を入れ、2~3週間置いておき水を交換、これを繰り返し3回程度行う
 この工程で若竹を腐らせ、繊維をほぐすのだが、とにかく臭い。苦情殺到。場所を考えてやろう。

Ⅳ:若竹をとりだし、こん棒でたたいて、竹の表皮部分を取り除く
 この工程をやるときには、もう繊維がほぐれすぎて表皮がはがれていたので、たたく必要もなくとれた。

ここから少し独自法になってきてどれが必要な工程か分からないんですが
Ⅴ:とりだした繊維を鍋に入れ焚く、本来ここで苛性ソーダを入れて20時間程度焚くと繊維が解けドロドロになる
 この段階で薬品を使わずにやってみたかったので、苛性ソーダを使わずに煮込む。数日に渡り焚いたが当   然のように繊維はそのまま。それから他の作業に追われ1か月水につけたまま放置。その後繊維が崩れない  のであれば、すり鉢を使おうとそれで擂る。それを水に入れる。ドロドロにはなる。

Ⅵ:そこに漂白剤をいれ、1mm四方ぐらいの網目の網をつけた木枠で漉く
 ここでも漂白剤を使わず、自然の色そのままで漉いてみた。
 すり鉢で擂った繊維は幾分かは細かくなりすぎ、穴を通り抜けてしまったが、多くはちゃんと網の上に拡がっ  てくれた。

Ⅶ:それを天日で干し完成
 この日は風が強く干してるときに吹き飛ばされ紙がびりびりに破れてしまった。
 
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 これで一応完成しました。今回は漉くというほどの量がなかったんですが、本来は漉くときにネリというものを加えた方が漉きやすく、丈夫なものができるみたいです。ネリは自然のものでいうとトロオアオイという植物の根や市販のものならコンニャクノリを使うといいみたいです。今回は初めてということで試行錯誤しながらの竹紙作りだったのですが、まだまだ改良次第でおもしろくなりそうですね。
 
このびりびりになった紙、いくら自分で作ったもので愛着があるとはいえ、そのまま持っていても捨ててしまいそうなので、祖父に一筆入れてもらい作品にしてみました。
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今年の干支は辰年なので「龍」という字を書いてもらいました。
いやー、素晴らしい出来ですね。かっこいい~!!
以上竹紙レポートでした。

今年の活動がこの龍が如く飛躍の年でありますように