岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

12月16日~国際シンポジウム「里山とは何か」~

岸ゼミ三回生の福井です。龍谷大学深草キャンパスで開催された国際シンポジウム「里山とは何か」
ー自然と文化の多様性ー の講演会の報告をします。

当日は岸ゼミからは4回生の斎藤さん、堀さん、そしてTAの中山さんが参加されました。
(三回生、みんな来ようよ☆のあき)
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開会のあいさつが午後1時からはじまり、主なプログラムの流れとしては
①「日本の里山の現状」宮浦 富保氏
②「里山生物多様性の保護~グローバルな問題:オーストラリアからの事例」 ホルツナー氏
③「江戸の市民が見た自然」 江南 和幸氏
④「韓国における里山の山菜・雑穀利用とそれに関わる文化」 パク・チョルホ
⑤「里山:人と神と動物たち」 須藤 護氏
の5つの発表となりました。

1時になるとゾロゾロと人が・・・。あっという間に教室は満員になりました。年輩の方が多いような気もしましたが・・・。あらためて「里山」が注目されていることを実感しました★のあき
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さて内容のほうに移ります。①「日本の里山の現状」龍谷大学理工学部教授 宮浦 富保氏による講演ですが、今回の発表の中では一番オーソドックスで広い意味での里山の説明であったように思われました。
具体的な内容としては、里山のありかたは自然と文化の多様性とその歴史を反映したもので、共同利用の場として地域の中枢であった位置付けからどのように変化していったのか。
そして里山が放置された場合の問題点として
アカマツや松茸の枯渇②タケノコ不収穫による竹の大繁殖③みとうしの悪さから起こる鳥獣害問題などがあげられていました。


②「里山生物多様性の保護~グローバルな問題:オーストラリアからの事例」 ホルツナー氏
ウィーン農芸大学教授であるホルツナー氏はほとんどが生物多様性についてのお話でした。
生物多様性を生物学的な見方で考えると限界があり農業と農地の価値から考え、人間文化の多様性と密接に絡み合わせることで「生物文化的な多様性」という概念が生み出される。
生物多様性は時間と空間の中で変化し、必ず人間の営みと自然の中で存在するものであるとのことです。パワーポイントではオーストラリアの美しい風景が用いられ、謎のメロディーが流れていました。あくまで生物多様性は農業をしている人々によるということが強調されていました。

③「江戸の市民が見た自然」 江南 和幸氏
龍谷大学理工学部の教授である江南 和幸氏は里山から「自然」というテーマに絞り、自然をめぐる多様な文化についてお話されました。
江南氏は自然を歌う文化が万葉集期にはないとしています。万葉集は恋愛歌集で自然歌集ではない。
では自然を歌う文化が本当の意味で歌われるのはいつからか、彼は江戸初期だと言う。
この時はじめて日本人が日本の自然を観察し、研究するようになった・・・らしい。
あとは各絵画に載せられている自然、植物の説明。
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④「韓国における里山の山菜・雑穀利用とそれに関わる文化」 パク・チョルホ氏
韓国の里山、農業の概念、また生物多様性の利用と文化について発表されました。
主に韓国の江原道の山村に焦点が絞られていました。
1970年代まで人々の生活は山地に依存してきました。この山村で上げられたのが、「山菜」「穀物」。
韓国での健康への関心から、山菜の需要と供給は増加。穀物も減少期はあったものの、国内の需要は再び増加期にある。
ここで出てきた僕が最も印象に残った言葉「里山は人の精神的な健康」。
最終的に山村での活発な活動が、高収入を保証するような仕方で新しく確立される必要がある。そのためのプロジェクトを韓国では推進している。らしい。

⑤「里山:人と神と動物たち」 須藤 護氏
最後は野生動物との共生、山の神としての「大蛇」「猪」、山の神祭りのお話がありました。
最終的に自然に対する謙虚な接しが山野をまもり、農耕を持続させてきたとのことである。

What is Satoyama? 学べば学ぶほど奥が深い。

各国によって少し里山のい概念も違う、しかし今回何回も出てきた言葉。
自然と文化の多様性、この文化というものが大きなテーマであったと勝手に思っています。

今回は経済学とは離れた里山を学びました。

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