岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

五大学環境交歓セミナー2007

記事の作成が遅くなってしまい申し訳ありません。
三回生の八木と黒澤です。
12月1日、2日に京都大学で行われた五大学環境セミナーに参加しました。参加したのは京都大学の植田ゼミ、一橋大学の寺西・山下合同ゼミ、中央大学の横山ゼミ同志社大学の郡嶌ゼミ、岸ゼミでした。今回は慶応大学が欠席していました。発表の会場には全員で、5,60人くらいいたでしょうか…
岸ゼミの発表は農業班と食品廃棄物班の2つに分かれて発表したので、報告もそれぞれを担当します。
発表は20分間、そのあと担当の質疑班からのコメント、そして先生のコメントという流れで進みました。

1日目

農業班は1日目の一番最初に発表でした。発表は裕展さん、藤田さん、吉江くんで進めました。
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発表の準備をする裕展さんと藤田さん。パワーポイントの準備に手間取り発表の練習はほとんどできないままの本番になってしましました。

農業班のテーマは「過剰施肥における地下水汚染 ~肥料管理体制への提言~」でした。
現代の農業体制では耕作地に肥料を過剰に播気過ぎる構造になっていて、それが地下水を汚染しているのが現状なのです。
戦後の農業政策の中で急速な近代化の中で大量投入、大量消費の時代になっていきました。環境に負荷をかけながらの効率的な農業生産性の達成に至りました。そして、近代化による生産性の拡大の土地に対しては過剰な肥料の投入につながりました。生産性だけを追求するあまりに、環境はないがしろにされてきました。汚染された地下水は人体に影響を及ぼします。そこで我々は土地に肥料を過剰に投入しないような新たな体制が必要でなないのか、ということを研究して、今回京都大学でプレゼンをしてきました。

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自身発表の場所に立たず、聞いているだけでしたが発表はパワーポイントに書いてあることを呼んでいるだけの場面も見られ準備不足といった感じが否めませんでした。読み間違いもあったり、パワーポイントの操作にもミスがあったり、中身よりも発表の外面が他の発表に比べて劣っている、というのが私見でした。


発表後のコメントは京大の植田先生からでした。先生の指摘はまず、「提言」という言葉に対してでした。我々の行ったプレゼンや作った論文には提言と呼べるようなものに値しない、ということでした。そして、我々の結論としては農協は地下水汚染の解決・改善に十分な能力を有しているということに対して、どうして、農協にという結論に絞られたか。そして、強調されたのが農協側は我々の着目した問題にどういう態度であるかというヒアリングを行っていないことでした。
ただ、植田先生は環境問題において、農業に関することは重要で着眼点は悪くない、とお言葉をいただきました。

ということで、農業班の発表は終わりました。

どんどん行われていくほかの班の発表を見ていると、よく出来ているところはパワーポイントもわかりやすく、発表も場馴れしているように思いました。

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↑ほかの班の発表について質問をするSA福井さん。今回、同志社からほかの班に対しての発表は福井さんしか、していませんでした。福井さん以外の同志社の連中(自分も含めて)はおとなしいかな、というような印象を受けました。質問はもっと積極的に挑んでいくべきであったと思いました。


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一橋大学の寺西・山下ゼミのエネルギー班の発表のコメントを担当した岸ゼミのメンバー。

2日目

岸ゼミは郡嶌ゼミ生物多様性班に対してのコメント担当でした。
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次は食品廃棄物班の報告です。テーマは「パン屋における食品廃棄物問題」。
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パン屋でのアルバイトを通じて、売れ残ったパンが大量に廃棄されていることを知ったことがこのテーマのきっかけでした。私たちはパンの廃棄物問題を「なぜ従業員に配らないの?」「なぜ売り切れないほど作るの?」などの素朴な疑問からスタートし、研究を進めました。
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研究を進める中でパン屋に限らず食品産業界では大量の食料が廃棄されており、特に小売業・外食産業では再利用もほとんどされていないことが分かりました。さらにその中でもパン屋は特に状況がひどいこともはっきりしました。
私たちはその原因が同じ値段でいくらでもパンを捨てられる「定額制」の回収システムにあると考え、廃棄物の量に応じて値段が変化する「従量制」の有効性を検討しました。

発表後、中央大学の横山先生にコメントしていただきました。

『論文に必要なことは先行研究でどこまで分かっているのか、それを踏まえて新たに分かったこと(something new)は何なのかです。』

今回の研究は私たちなりに精一杯やったものではありましたが、すでに多くの先行研究で示されているものでした。0からスタートするのではなく『先人の研究』の上に更なる研究を重ねることができれば、もっと面白い論文が書けたかもしれません。発表では勉強の仕方を学ばせていただいたことが大きな収穫です。

最後に先生方にいただいたコメントのうち印象深かったものを紹介します。

まず一橋の山下先生に教えていただいた論文の書き方です。

~QMRA「位置づけ・意味づけ・秩序付け」~

①Question 何が分からないのか、何が問題なのか。
この際大切なことは、その問いの「社会的意義付け」「学問的位置付け」です。つまりその問いに意味があるのかを考えます。問いに意味がなければ、始めから研究する必要はありません。

②Method どのような方法を用いてQを解決するか。
先行研究との違いをここで出します。新しい方法や新しい事例を使っての分析が必要です。

③Result 結果
予想したとおりの結果が出るか、予想と違うかは分析をしてみないと分かりません。結果ありきの分析にならないよう注意したいものです。

④Answer 答え
Qを解決するための代替案や方法を示します。

次に印象的だったのは『大学に入る時は消費者でも、卒業する時は生産者になって下さい。』という言葉です。今まで私たちは消費者として本や教科書を読んで勉強してきました。そういった勉強も決して楽ではないけれど、今回の論文作成で自ら解決策を「生産」する難しさを感じました。「生産」するためにはまずそのための基礎、「消費」することが必要です。大学という場所で過ごす貴重な時間の一部をせっかくならこんなことに使うのも悪くないな~と思いました。小さなことでもいいから、卒論では何か新しい発見ができるように、これからのゼミの時間をより充実したものにしていきたいですね。

最後に、横山先生からのコメントで、文系の学生は論文を作るときには10回くらい書き直すくらいのつもりでやりなさいというのもありました。美術の学生は、自分の作品を仕上げるため何十回も作り直して仕上げるそうです。それに比べれば今回、我々は何回書きなおしたでしょうか。
今回の発表の反省点とコメントを踏まえ農業班・食品廃棄物班ともにもう一度論文を作り直して、HPにアップする予定です。