岸基史ゼミ活動日誌

同志社大学経済学部岸ゼミナールです!里山きゃんぱす(奈良)での里山保全活動や物販活動など日々の活動を報告しています!

10月26日の活動報告~小峠にて、脱穀~

こんばんは、榊原です。10月26日の活動報告をさせていただきます。
本日の活動内容は2週間前に刈り入れた稲の脱穀作業です。

今朝起きたらまさかの雨。雨に濡れた籾は劣化、腐敗の原因になる、作業がしにくいなどの理由から、雨の日に脱穀は行わないのがセオリーなのですが…。どうしようどうしようといろんな人に意見を求めまくった結果、「雨でもやるだけのことはやってみよう!」という結論に達し、まさかの雨中脱穀を敢行。前代未聞。岸さんも尾山さんも思わず苦笑い!?しかしそれが岸ゼミクオリティ。
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まずは雨除けのテントを組み立てることから始めます。
中山さんの指導でビニール屋根を張っていきます。ビニールに水分が付着していると、籾が水分を含み腐りやすくなってしまったり、かき集める際に手間がかかるなどいろいろと問題があるので、タオルや雑巾などで屋根の下に敷くビニールの水気も取っていきます。

脱穀の際に使用したのは昔ながらの足踏み脱穀機。タイミングよくペダルを踏むことでローラーの回転数を上げながら、ローラーに固定されている直径4cmほどの無数の金属輪によって稲穂の籾をはじき飛ばすものです。この器械も尾山さんをはじめ、いろんな方々の支援や協力があったからこそ、今僕らが使うことができているわけです。感謝です。これはそのうちの1台。
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岸さん、中山さんのデモンストレーションを参考に、僕たち学部生もさっそく脱穀に挑戦。はじめのうちはローラーの回転力に思わず稲を引っ張られて、稲をローラーに巻き込んでしまったり稲ごとはじき飛ばしてしまったりする光景や、金属輪と接触する際の稲の抵抗にローラーの回転力が負けて、足踏みが止まりかけるといった光景がしばしば見られました。しかし、やはり慣れてきたのか、みんなだんだんと失敗が減ってきて、最後には足腰のしんどさに耐えつつも、やべー脱穀楽しいわ、みたいな感じに。…そうでもない?
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もちろんプレゼミ生も参戦。本日は特に参加者が多かったです。今日の様子を見る限り、今年のプレゼミ生は里山3連続出勤の猛者、音速の足踏み脱穀貴公子など、期待の新人ばかりです。それに比べて僕らのプレゼミ時代は…あはは。まあいいや。前田の脱穀ゾーンでは主に2回生の男性陣が、古田前では女性陣ががんばってくれました。みんな元気にゼミと里山のあるキャンパスライフを送ってもらいたいです!
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昼食。例によってNyapくんの提案で本日の献立は炊き込みご飯とお吸い物(沢庵漬付き)。はいきた美味!里山補正・コミュニティ補正を考慮に入れてもこれはおいしい!あっという間にご飯の釜は空っぽになりました。Nyap!僕は君を炊事隊隊長に任命したい!でも隊長は有山さんをはじめとするオトナの女性陣に昼食準備中ず~っとこき使われっぱなしだったとさ。めでたしめでたし。
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昼食後もひたすら脱穀です。しかし、午前中に黒米チームは古田のはざ、うるちチームは前田・中田のはざの4分の3をすでに空にしていたのに加え、前述の脱穀トランスモードのおかげで、午後4時ごろには後にイベントで使う分の稲を残して、小峠すべての稲の脱穀を終えることができました。これは例年と比べてずいぶんとはやいペースだとか。
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しかし、脱穀を終えた僕たちに立ちふさがったのは、ブルーシートに飛散した(もっと飛び散り!というニュアンスの言葉はないものか?)籾、稲、藁の数々…。無論、これらすべてをそのままいっしょにして捨ててしまうことは可能です。しかし、これを己の目と手、それにザルを用いて選り分けていくのが岸ゼミクオリティ。かつて親から言われた「米を一粒粗末にすると、片目が潰れる(不快に感じる方がいらっしゃったら大変申し訳ないです)」精神を持ち、日没までひたすら籾粒を集めていきます。とかなんとか偉そうなこといって最後にはある程度妥協するわけですが。ちなみに本日収穫できた籾は明日(月曜日)天日干しにされます。
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さらに来年度の種籾と、田んぼに還す藁、ひもの代わりに使う藁に分け、本日の活動は終了したのでした。

【本日の一枚】
わら…わらじん…なんだっけ?わらじんべえ?(正解:「わらじんど」。はざと同じで地域によっていろいろな呼び方があるそうです)です。籾を取った後の藁で作ったただのモニュメントかと思いきや、藁同士を密着させて作ることにより、内部の藁を雨や湿気から守ります。こうすることで藁を活用しやすい状態に保つわけです。現に今年の稲刈りの時、稲を束ねるのに使った藁は、去年のわらじんべえ?の中層部分が主です。ちなみに藁の密着は空気を通さないことで高い断熱性を発揮することもあるようです。この性質は藁の家「ストローベイルハウス」にも応用されています。実に有用でかつ自然に還るものが昔から日本人の周りにはあったんですね。
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